「それでも夜は明ける」スティーヴ・マックィーン監督作

ようやく見れました。主人公は、音楽家として家族と共にニューヨークで暮らしていた黒人男性ソロモン。

1941年、訪れた出張先のワシントンで拉致され、名前を変えられ売り飛ばされます。家族と引き離され、人権のカケラもないひどい扱いを受けながら農園主の支配下で奴隷として生きる日々。その過酷な12年間が描かれています。

約120分、ずっとドキドキしっぱなしでした。

その中でも特に、農園主のもとへ輸送される船の中で主人公ソロモンが「事態はそんなに深刻なのか。昨日まで妻や子供たちと一緒に暮らしていたんだぞ俺は。」

とつぶやくシーンに胸が締め付けられました。
拉致され奴隷になるなど夢にも思っていないなかったという、彼の心理が読みとれるからです。

彼は奴隷になる前、ニューヨーク(アメリカ北部)で、中流階級の人間として生活を営んでいました。黒人奴隷の多くは南部に住んでので、彼にはそのような状況になるなんて予想できるはずがありませんでした。

つまり、ぼくたちと同じように普通に暮らしていた、普通の人が奴隷になったということなのです。

いわば自分とも言い換える事が可能な人物が、えんえん過酷な状況を強いられながら生きる姿を見せつけられる苦しみ。

そして、映画自体も素晴らしかったけれどぼくは、何よりもこの映画を見てアメリカ映画界ってすげえな!懐深いな!と感じました。

この作品は、アカデミー賞作品賞を受賞しています。

黒人奴隷問題は、アメリカ人からすれば自国の歴史の汚点のはずです。日本で考えるなら、日本軍が戦時中にアジアで行った蛮行を描いた映画のようなものなのです。

それをここまで描き切った作品に賞をあたえてしまうアメリカ映画界の懐の深さ!

ぼくが好きな映画評論家・町山智弘さんは、この映画を「全人類が見るべき映画」と評していますが、ぼくも全くその通りだと思います。

それだけの価値がある映画だと思います。

オススメです!

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ABOUTこの記事をかいた人

現代アート好きドローンライター。日中英で影響力を持つ人物になるべく瞬発力を鍛える日々です。岐阜出身、大阪芸大卒。フィリピンで英語習得後、助成金を得て渡米、NYで修行しました。執筆実績:LIG,グノシー,DRONE MEDIAなど