ピコ太郎よりバズった男!再生6億回で中国一有名な日本人・山下智博さんに聞いてみた!

こんにちは。ライターのケロリンです。

みなさんは「バズる」という言葉を聞いた時に誰を思い出しますか?

例えば最近だと、ジャスティン・ビーバーがツイートしたことで人気が爆発し、動画再生回数が1億回を超えた「PPAP」のピコ太郎さんがいますよね。

しかし、中国には、人気動画サイト「Bilibili(ビリビリ)」に投稿した動画再生数が合計6億回を超え、中国版ツイッター「ウェイボー」のフォロワーが96万人(2017年1月現在)

NewsPicks、未来世紀ジパング、AERAなどのメディアでも取り上げられ徐々に日本でも知名度が上がってきている、中国で1番有名な日本人クリエイター・山下智博さんがいます。

本日は、道を歩けば多くのファンにサインを求められ、イベント時にはVIP待遇で警備員まで出動する山下智博さんに、Webメディアを運営する人間なら誰もが一度は知りたい「バズるために必要なこと」について聞いてみました!

中国一人気のクリエイター・山下智博とは

山下智博さんの現在の上海での活動を教えてください。

中国の人気動画サイト「Bilibili(ビリビリ)」で、日本語教育を含めた日本のおもしろ情報を紹介する動画「紳士大概一分間(紳士の大体一分間)」を投稿しています。

ピカチュウカのコスプレをしてコミケに潜入する動画や、ラブドール「薇薇(ウェイウェイ)」との同棲恋愛生活を記録した自主制作のラブコメディドラマ「日本ディアオス~処男与充气娃娃的邂逅~」を放送したころから徐々に人気が出始めて現在にいたっています。

あとは故郷の札幌のインバウンド観光のためのプロモーションをおこなう活動など、日本と中国を繋ぐために日々奮闘しています。

中国では良くも悪くも日本人が注目される。反日だからあえて上海に行った。

山下智博さんは上海で移住されるまで、札幌の文化財団にいらっしゃった訳ですよね。言ってしまえば安泰だったと思うのですが、どうしてそれを捨てて挑戦しようと思ったのですか?

大学を卒業したあとは、あまり深く考えなくて札幌の財団に就職しました。アートに関わる仕事ができると思って。

そこそこ楽しかったんですけど、まあ、安定し過ぎちゃったというところがあると思うですね。

あとは昔から”20代”っていう時間は、すごく大切だと考えていいました。

20代はすごくがんばれる、体に無理もかけられる、何をするにも貴重でかけがえのない時間なんです。

でも、財団は大きかったし公的な組織だったから、その中で大きなことやろうと思ったら平社員じゃ出来ないわけです。

社長賞とって、出世してとかしてても10年、15年間かかるだろうなあと。

そう思った時に、待ってられないなあと。

会社で頑張れば頑張るほど、会社の信念と自分の信念のが違ってきて。僕はもうちょっと前衛的なことをやりたいなって思ったんです。

あとは海外で暮らしてみたいという気持ちがありました。違う環境で表現活動やってみたいなというのがあったから、じゃあ、まあいい機会だから、それはもう海外に行こうと思って。

上海に移住されて活動を初めてまずどんな事を感じましたか?

日本の情報が全然、中国の人に伝わってないなあと。

中国では2011年、2012年位からインターネット動画が普及し始めました。それまでインターネット動画自体はあったのですが、家にパソコンがある人だったりとか、ちょっと裕福な人しか見れませんでした。

それが、スマートフォンが出たことによって、誰でもネット動画が見れるようになりました。

その時になってようやく、政府が情報を管理しないネットメディアにみんな触れられるようになったんです。

ビザも緩和して、日本に来る中国人が増え始めてるという状況ができたのですが、その時に

「どうやら自分たちが教科書で勉強している日本と現実の日本はなんか違うらしい」

ということに気が付きはじめたんです。

それまで彼らが触れてきた日本のメディアって、ニュースと後はアニメとドラマぐらいでしたから。

しかも都心部だと日本人と合えるけど、ちょっと離れた二級三級都市とかでは、日本の若い人と触れ合う機会はほとんどなくって。

興味はあるんだけど、どういう人種か分かんない。日本人てどんな感じなの?って

アート活動っていうと、真っ先に思い浮かぶのはニューヨークとかヨーロッパです。どうして上海を選んだんですか?

なんていうかな、俺小さい時からそうなんだけど、勝てない勝負には挑まない。

勝つの大変じゃないですか。ニューヨークとかヨーロッパって。

高校の時もそうだけど、進学校入って中学校まではまあまあ上の方にいってたですが、超頑張って勉強しても320人中120番とかで。

これはもう一位取れないなと思って勉強やめてモノづくり始めて。そういう発想でみんなが高校3年の時、イケてる男子たちが皆東京行くって言ってたから「じゃあ俺は大阪行こう」と思って大阪芸術大学行って。

大阪行ったら結構イケてるアーティスト志望の方が、皆「おれはアメリカ行く」って。

面白くないじゃないですか。いかに俺の処世術としていかに誰もやっていないことをやるかっていう、すきま産業。皆と同じことやっていたら、同業者に勝たなきゃいけない。

そもそも思ったのが、生き方がユニークな人ほど聞いてる話が面白いし面白いモノつくるなと。

これから文化が一番面白くなっていきそうなところはどこだって考えたらBRICs(ブリックス)だと思って。ブラジル、インド、ロシア、中国あたりは、経済、文化って経済が成長したら盛り上がるから。

そういう意味で、中国って経済がわぁっと盛り上がって、富裕層があふれて、次絶対、その富裕層がどうやってお金を使うかっていったら、そこは絶対エンターティンメント、娯楽とかが普及していく。

お金をどういう風に使っていくかっていうのは、これからすごく大事になってくるから、だったら多分中国は面白くなるだろう。

しかも、日本人ていう国籍、ナショナリティーが一番活きる国だなって思ったの。アメリカ、アメリカって言ったら日本人てあれかもしれないけど、ヨーロッパとか行っても、結局彼らからしてみたらもう日本人も中国人も変わんなくて。アジアの国、東アジアの国、極東の国々見分けも付かない。

だけど、中国に関しては、あそこまでデカい国の中なのに、日本人に対するイメージって、良くも悪くもものすごくでかい。知名度がめちゃめちゃある

だから、世界で1番日本人が嫌われているところに行こう、と。そしたら中国の上海になったというわけですね。

バズは一過性のもの。重要なのは継続的にモノを作っていくこと

前人未到の動画6億回再生という偉業を成し遂げた訳ですが、バズった理由をどのように分析されていますか?

ビリビリ動画という、中国の中でも特に日本好きな人達が集まるサイトがあります。

ニコニコ動画の映像も流れているし、日本のアニメもドラマも見れるのですが、当時そこには日本人が誰もいなかった。

中国に住んで、中国語でしゃべる日本人がゼロだったんです!

そこにたまたま入ったら、ぼくが1番だったという。超ブルーオーシャンだったんですね。だから皆に珍しがられて。だから変な話たぶん、ぼくじゃなくてもきっと人気出たと思いますよ。

あとは、リアルな場所で大学生とかと会って話をしたりすると、やっぱりものすごく日本人に対するイメージが偏っているんですね。

まじめで礼儀正しくてて、アニメとアダルトビデオを見ててみたいな。

だから、彼らが日本人に求めているものを、偏っているのは分かっているけど、あえて、誤解した状態で広げてこうと思ったの。

絵にかいたような日本人、それはたぶん、ぼく達らがアメリカ人に対して、あいつらはいっつもハンバーガーとポテトばっかり食ってる、という典型的なアメリカ人に対する偏見と同じだと思うんですが。

中国ってすごい学歴社会だから、いい大学出てってところだから。いわゆる落ちこぼれの感情のはけ口みたいなのが、日本と比べすごい足りてないんですよ。

やっぱり彼らも自分よりバカな人間見て笑いたいし、自分よりアホなことやっている人を見て安心したいし、励まされたいし、というのが潜在的にすごいあるから。

そうおいう人たちに寄り添うことで共感を得るっていう、そういうことをやっている人が中国には、たまたまいなかったから。

山下智博さんが考える”バズるために必要なこと”ってなんだと思いますか?

バズるっていうのは一過性のものですよ。

今はどっちかっていうと、一発当てるとかよりかはどうやって継続的なモノを作っていけるかが重要ですね。

恐らく、何も信念とか理念とかそういうものがないものを、バズらせる、話題にするっていうことは僕にはできない。

もともと「日本のことが伝わっていないから何とかしたい」という問題意識はあったわけで。

要はアプローチの仕方だと思っているんで。

中国人が、日本人はどうやらこうらしいという固定概念があって、それを思いっきり裏切るか、思いっきり忠実にやるか。振れ幅だと思います。

自分がどうこうやりたいっていうのもあったけど、それよりも皆が見たいものを作るみたいな、ちょっと飛ばすか、って感じで作るのが上手くいったところかな。

もっと日本のことを紹介して知ってもらいたい。できればもっと色んな人が関われるチャンネルにしていきたい

山下智博さんの今後の展望を教えてください。

今は自分の動画チャンネルがあって、基本的に自分の好きなものを載せてだけなんです。

だけど、もともとの動機は、中国の日本のこと知りたいけど本当のところがよく分かんないって人たちに日本に関する事を紹介したいという思いです。

だから、チャンネルを独占するんじゃなくて、もっと色々な人が関われるものにしたいなと考えています。

たとえばチームで高いクォリティの番組を作って、日本のことを紹介する映像を流してったりとか、文化交流みたいな事をしようと思ってる

中国のチームと一緒にネットドラマみたいなのを作ったりとか、映画みたいなのを作ったりとか、今後大きいプロジェクトがある予定でなので、そういう時に、日本のクリエーターとか中国のクリエーターとかを巻き込んで大きいことをやっていこうと。

そういう意味で、僕のもともとの主戦場って別に動画じゃないので、動画とリアルが交わる空間を作っていこうと思ってます。

日本からのアーティストを増やすために、レジデンスを作るプランも立ち上がってきています。

素朴なギモンなのですが、中国って言論統制が厳しいイメージがあります。山下智博さん、あんなに自由に発言していて大丈夫なんですか?

政府の批判と過度なエロ以外は、基本的にはOKです。

影響力が小さいうちは無視されるし、誰も気づかないから、そういう心配は、有名になってからすればいいと思いますよ。

言葉の問題もあったりするんだけど、基本的に中国語の字幕が入れば、とりあえずはまあ理解はしてくれます。

話せるに越したことはないけど、映像の字幕の部分でカバーできるんであればどんな言語でも基本的にはカバーできるので。

やっぱ中国は、ほんと学歴社会で詰込教育とかまだしてるんで、そういう意味では、いい表現、見る目だったりとか、アートとか文化とかに触れる機会が圧倒的に日本に比べたら少なくて。

それに比べて、日本人て小さいころから、文化祭慣れしてるというか、人を笑わせたりとか、習い事したりとかしてますよね。あいつやばいな、アイツ熱いな、みたいな感じとか。

日本にいたらあまり気づかないんだけど、それはけっこう中国では異彩を放つ可能性がある。

日本人の力、日本人の発想力みたいのが輝いている。可能性を開けるタイミングだから、そういう意味でロマンはすごいある。ロマンはあるし、大きいことやってくのに、まだまだそういう面白い発想もできる。

多分ぼくの色々なことをホームページで知ってて、のくのやっていることを見て『このぐらいなら俺でも出来る』って思うやつが多分出てくる。

動画とかに関しても、もっと面白いモノが作れる、そういう人がいたらチャンスだと思うから、そういう人がいたら僕も応援するから、そういう人がいたらぜひ中国来てください。

まとめ

バズは一過性のもの。作り続けることが大切。

というあたり前なのだけど、ついつい忘れがちな大切なことを教えていただきました。

ちなみに、取材は浅草でおこない、山下智博さんと出演されている宮崎先輩こと宮崎壮玄との浅草寺での動画撮影にも同行させていただきました。

撮影中にも「山下智博だ!サインしてください」と多くのファンの方たちから声をかけられていました。

みなさんも、小さなPV数に一喜一憂せずに自分の信念にあったものを作り続けていきましょう。

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    現代アート好きドローンライター。日中英で影響力を持つ人物になるべく瞬発力を鍛える日々です。岐阜出身、大阪芸大卒。フィリピンで英語習得後、助成金を得て渡米、NYで修行しました。執筆実績:LIG,グノシー,DRONE MEDIAなど