純愛求めて彷徨う運命か。フィリピーナに恋した男の人生。

彼は、あまり女性にモテた経験がなかった。同級生たちが彼女を作り楽しそうにしているのをいつも遠目で見ていた。

たまたま偶然、友人に連れられフィリピンへ旅行に行くことになった。そこで、彼女に出会った。

彼は、これまでに無いような女性からの積極的な質問攻撃をうけた。どうして彼女はこんなに自分に興味を持ってくれるのだろう。

「あなたはどこで生まれたの?」

「あなたの生まれた場所にはなにがあるの?」

「彼女はいるの?」

「どういう子がタイプなの?」

彼にとって、自分の話を何でもニコニコ笑って聞いてくれる女性は彼女が初めてだった。そして、だんだんと好意を持つようになった。

別に、これまで女性と付き合った経験が無い訳ではなかった。だけど、いつも物足りなさを感じていた。

その原因は何だろうと考えてみると「彼女は本当にぼくの事を理解してくれているのだろうか?」という甘えにも似た不安だった。

やがて彼女と付き合うようになった。本当に心が通じ合える彼女を見つけることができたと大喜びした。これが恋だ、純愛だと本気で思った。

だけど、恋愛経験が乏しいのもあって、どう彼女と接していいかよく分からなかった。とにかく好かれたくて、そして嫌われたくなくて、彼女が喜びそうなものを見つけてはそれを購入し、プレゼントをするようになった。

最初は「そんなのいらない。」と受け取ってもらえなかった。だけど、それ以外に好意を伝える方法が分からなくて、彼女の意思を無視してプレゼントを続けた。やがて彼女も、そんなに言うならと受け取ってくれるようになった。

だけど、それが当たり前になってしまった。お金が無くなりプレゼントをあげられなくなったある日「母親が病気になったからもう会えない」と彼女からメールが入った。

彼女から物をねだった訳ではなかった。彼は、自分の行動が彼女を変えてしまった事を悟った。

それから。

喪失感に襲われながらも、あの目眩のするようなあの恋を忘れることはできなかった。

彼は今でもフィリピンを彷徨っている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

現代アート好きドローンライター。日中英で影響力を持つ人物になるべく瞬発力を鍛える日々です。岐阜出身、大阪芸大卒。フィリピンで英語習得後、助成金を得て渡米、NYで修行しました。執筆実績:LIG,グノシー,DRONE MEDIAなど