月に2回の仏壇掃除

毎月14日、30日は父との仏壇掃除の日。

父はいつも「ご先祖様のおかげで今がある」と言う。

ぼくは、ご先祖様がこの仏壇の中に入っている訳ないし、人間は全員死んだらおしまい、あの世なんか無いと思っているから、それを聞くたびに笑ってしまう。まさか父は本気で、ご先祖様が仏壇の中にいるとでも思っているのだろうか。

仮にご先祖様があの世にいるとして、この仏壇は本当に必要なのだろうか。父は、この仏壇を買うために数百万使ったと聞いたことがある。どうせなら立派なものを買おうと。いかにも見栄っ張りな父親らしい。だけどそれってただ、仏壇業者のうまい口に乗せられただけじゃないのか。

ぼくは仏教が好きで発祥地インドに行ったけれど、そんなものはなかった。仏教が中国や朝鮮を伝わってくる途中で変形したものであって、本来的な仏教とは何の関係もない。ハッキリ言って、インチキ。嘘っぱちである。そこに本質は何にもない。

だけど、そんなことは父も分かっているのかもしれない。よく考えると、父が仏壇の掃除を頻繁にし始めるようになったのは、会社がうまくいかなくなり家族内の関係がギクシャクし始めた頃だ。

ぼくが、フィリピンの街でマリア像を見て心が安らぐように、父にとっては仏壇が心の拠り所なのかもしれない。それによく考えれば、仏壇を金儲けの為に売り始めた人もいるだろうけれど、本気で人の役に立つと思って広めた人もきっといるはずだ。

ぼくは長男だから、いずれこの仏壇を引き継がなければいけない。全く信じていないものをどうやって受け継いでいけばいいのかよく分からない。困った問題だけど、父がこんなにも大切にしているものなのだから、なんとか父が喜ぶような形で上手にやりたいとなあと思う。










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人生を「ワクワク」に捧げる男。大阪芸大卒後、助成金を得て渡米、ニューヨークで修行。画家のアトリエで居候、色々あってWEB編集者に。新しい働き方の実験として、ストアカでライティング講座開講中。https://goo.gl/yxQJN3 執筆実績:LIG,グノシー,DRONE MEDIA,Drone Agentなど